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NIS Survivorsから西町コミュニティーへのメッセージ

西町コミュニティーの皆様

西町インターナショナル・スクールは、私たち同窓生にとり、特別な学校だと感じてきました。西町は、世界各国から日本に来た同窓生、そして熱心な先生方との、強い絆が生まれた場所であり、この大切な絆を保ち続けている同窓生も少なくないと思います。西町の教育は、様々な人種の子ども達に日本語と日本文化を愛する気持ちを育て、みんなが善良な国際人となるための成長を促してくれました。私たち同窓生一人一人が大切にしてきた西町の思い出は、変わることはありませんし、変わるような出来事があってはならないと思います。

しかし、残念なことに、西町での思い出は一部の同窓生にとり、決して幸せではなかったということが、明らかになりました。

私たち西町サバイバースは、1970年代に西町に在学していた同窓生の集まりです。当時の西町で起きた不幸な出来事を経験し、互いに連絡を取り合うようになり、生まれたサポートグループです。私たちは、西町の科学の教員であり、バスケットボール部のコーチでもあった、ジム・ホーキンズによって、性的虐待を受けました。性的虐待は、「グルーミング」(下心を隠して相手を信頼させ、いかがわしい行為をしようとすること)、キス、乳房や性器を触ることから強制的な性交(性的暴行)にまで及びました。

西町サバイバースが目指すことは、性的虐待を受けた被害者が、自らの体験を話すことができる親身な環境を提供し、辛い経験を共有し合い、同じような事件が西町で二度と起こらないようにすることです。西町で学ぶ子供たちの安全を守るための制度を確立するため、卒業生の皆様と協力しながら、学校に要請して行くことは、私達の使命であると考えています。私たちの活動が今後の西町コミュニティーの明るい将来につながっていくことを強く信じています。

背景事実

ジム・ホーキンズは1967年から1980年までの13年間、西町で教員として勤めていました。その間、彼は12歳前後だった私たちに性的虐待を行っていたのです。ホーキンズから受けた虐待により、それから何十年もの間、こころの傷を抱えてきました。でも、被害者の誰もが、「こんなことを経験したのは私だけ」、自分が悪かったのだという自責の念を持ち続けてきました。そして、今まで、誰にも打ち明けることができずに一人で苦しんできました。事件のことは忘れ、ただ前向きに生きようとすることが、私たちができる精一杯のことでした。

しかしながら、ここ数年の間に、別の児童虐待事件が起きたことで、ホーキンズの事件についても少しずつ、噂されるようになり、同様の体験をした同窓生の存在を知るようになりました。私達は、お互いに連絡を取り合い、それぞれの体験を話すうちに、真相が明らかになってきました。ホーキンズは教員という立場を利用し、幼い少女だった私たちの気持ちを巧に操作し、「グルーミング」を行い、執拗に性的虐待を犯していたのです。

昨年、西町は性的な問題行動が行われたことに関する情報を得たことを発表しましたが、加害者の名前は開示されませんでした。西町は、リスク・マネジメント(危機管理)を専門とする弁護士事務所を雇い、問題行動に関する調査を依頼しました。でも、私たちは誰一人として、このような調査が行われていたこと、ましてやこの調査がジム・ホーキンズについての調査であることを知りませんでした。また、弁護士事務所から聴き取りの要請を受けたメンバーもいませんでした。聞くところによると、この調査における聴取の対象者はわずか5名の目撃者に留まったそうです。私たちは、このような調査の仕方では、執拗に行われた重大な性的虐待についての実態を明らかにするには不十分だと感じました。

西町が行った調査内容に不備を感じ、数か月前に私たちはアメリカの法律事務所クルー・ジャンシーLLP(Crew Janci LLP)の協力を得ることを決めました。この事務所は、児童性虐待の被害調査と弁護を専門としており、この方面では豊富な経験を有する法律事務所です。最近では、Pingry Schoolの同様の訴訟を代理し、21名の元生徒の弁護を行いました。また、アメリカン・スクール(ASIJ)の13名の被害者を代理しました。(これらの事件の詳細については、次のリンクからご覧いただけます:www.crewjanci.com

先週(2018年5月22日)、西町は初めて調査の対象者はジム・ホーキンズであったことを発表しました。また、調査が完結していないことも発表しました。前回とは異なる法律事務所(大規模企業の代理を専門とする弁護士事務所)を新たに雇うことも明らかにしました。

このような重大な事柄であるにもかかわらず、西町が行った調査の経緯や経過内容がこの一年間、不透明であったことに私たちは問題を感じ、クルー・ジャンシーLLPに並行調査(西町とは独立した調査)を行うよう正式に依頼しました。これにより、西町での性的問題行動に関して情報を保持する人は、安心して情報を提供することができます。クルー・ジャンシーLLPは、許可を得ずに報告者の名前を公表することはありません。クルー・ジャンシーLLPには、調査で知り得た情報を西町と共有する権限を与えました。しかし、その場合においても、報告者が匿名を希望するならば、報告者の名前は守秘義務のもとに守られます。

NISサバイバースは、今後、西町が実施する調査が公平かつ綿密に行われることを期待しています。私たち独自の調査が西町の調査と並行して実施されることによって、性的虐待についての事実がより信憑性の高いものになるのではないかとも期待しています。

被害に遭った同窓生がいましたら、ご連絡をお待ちしています。ご連絡をいただいた際は、守秘義務を厳守することをお約束いたします。

NISサバイバースの活動が、西町コミュニティー全体の健全な発展に貢献できればと思います。そして、この辛い過去の出来事に正しく向き合うことは、将来に向けて、より健全な学校づくりにつながっていくことと信じています。事実を知り、どのような状況がこのような事件を引き起こしたのかを慎重に検証し、二度とこのような事件を起こさないための体制を確立することが重要課題だと考えています。

私たちが目指す目標は:

  • 西町で発生した性的問題行動に関する事実を知ること(被害者の安全とプライバシーは保護されます)
  • 被害者が受けた衝撃の大きさを西町が正しく認識し、適切な償いをさせること
  • ホーキンズが西町の後に勤務した学校(Maret School, Maumee Valley Country Day School を含む)に情報を提供し、調査を実施する権限を与え、同様の被害がなかったか調査させること
  • 生徒への虐待を未然に防止するためのガイドラインを含む、西町における児童生徒保護制度を確立すること。

皆さまのご協力なくして、これらの目標を達成することはできません。

これらの目標を達成するために以下の方法でご協力いただければ幸いです。

  • 調査を行う事務所への情報提供。(ジム・ホーキンズに関する情報、またはその他の虐待行為などに関する情報)連絡先:info@nissurvivors.org
  • 他の情報保持者に上記の調査事務所への連絡を勧める。(西町の調査を行っている法律事務所にすでに連絡を取った人を含む)
  • フェイスブック上のNIS Survivors の「いいね」をクリックしいていただき、「シェア」していただく。
  • 本メッセージをEメールで同窓生に送付、またはソーシャル・メディアの「いいね」や「シェア」をクリック
  • この活動をサポートするような機会があればお知らせいただく。

西町が、この事件の重大さを認識し、二度とこのような事件を起こさないために同窓生の話に真摯に耳を傾け、子供たちの安全確保を最優先する制度を確立することにつき、NISサバイバースは、みなさんと共に、西町の手助けをしたいと願っています。私たちの活動が今後の西町コミュニティーの明るい将来につながっていくことと信じています。

ご協力いただきますよう、お願い申し上げます。

The NIS Survivors